WindFloat Atlanticは、セミサブ型技術を採用した最初のフルスケールの浮体式風力発電所であり、銀行融資を確保した最初の浮体式洋上風力プロジェクトです。
ポルトガルのヴィアナ・ド・カステロ沖20kmに位置するこのプロジェクトでは、8.4MWのVestas V164風力タービンを搭載した3基のWindFloat Tユニットを採用しています。これらの巨大なタービンは海面から185mの高さにそびえ立ち、3基のWindFloat®プラットフォームはカテナリー係留システムにより100m下の海底に固定されています。
プリンシプルパワーは、Ocean Windsの子会社であるWindPlusとの直接契約を通じて浮体基礎を設計し、製造、海上建設、据付に至るまで、Technical Execution Advisory Management(TEAM)サービスを提供してプロジェクトの遂行を支援しました。また、現在もWindFloat Atlanticに対し、浮体基礎の運用・保守(O&M)サービスを提供しています。
プロジェクト関係者間の密接な連携により、プリンシプルパワーは遂行段階における各種プロセスや手法をテストするとともに、現場のデータを活用してWindFloat®技術の設計を最適化するためのエンジニアリングモデルをさらに精緻化することができました。こうして、今後のプロジェクトに向けた技術の改良が進められています。
2020
25 MW
Vestas V164
8.4 MW
25年
20 km
100 m
25,000軒(家庭および事業所)
Ocean Winds、東京ガス、Repsol
欧州投資銀行による融資6,000万ユーロ
アメリカ船級協会、DNVGL
WindFloat Atlanticプロジェクトは、大西洋の厳しい環境下で5年間発電を続けたWindFloat 1プロジェクト(現在地から約50km南に設置)の実績を基に開発されました。
この実績により、WindPlusコンソーシアム、銀行、およびサプライヤーからの信頼を得て、浮体式技術開発は次のステップに進むことができました。25年間の事業計画に基づくこのプロジェクトは、当時最大級の風力タービンをはじめ、66kVのインターアレイケーブルや切り離し可能な係留・配線システムなど、将来の商業規模の浮体式風力発電プロジェクトを実現するためのさまざまな技術を包含しています。
WindFloat Atlanticは2020年に運転を開始し、4年間で当初の予想を上回る累積320GWhの電力を供給した実績があります。また、台風並みの大型低気圧Ciaranによる20メートルの波高や時速139kmの風速といった厳しい気象条件にも耐え、構造的な損傷を受けることなく運転を続けています。
WindFloat Atlanticは、次世代WindFloat®技術のさらなる最適化に役立つ貴重な実証データを提供してくれています。これらの運転データは、浮体基礎の設計や製作、建設方法の改善に重要な役割を果たし、コストやリスクの削減、産業規模での展開に向けた製造プロセスの最適化を実現します。
WindFloat アトランティックは、2019年から稼働しており、貴重な実証データを得て、次世代のWindFloat®技術のさらなる最適化に向けて、モデルやプロセスの改良に活用しています。
このような運用に関する洞察は、大規模な商業規模のプロジェクトに適用するための設計プロセスにすでに組み込まれており、コストとリスクのさらなる削減を実現しています。