キンカーディンは、セミサブ型基礎を採用した浮体式洋上風力発電所として世界最大規模を誇ります。本プロジェクトはアバディーン沖合約15km、水深60〜80mの海域に位置し、9.5MW級の風車を搭載した5基のWindFloat Tユニットで構成されています。
本案件は、再生可能エネルギー義務証書(ROC)制度に基づく厳しいスケジュール制約があり、極めてチャレンジングなプロジェクトでした。Principle Powerは開発の後期段階で参画したものの、クライアントとともに、2MWのKincardine 1号機を迅速に設置して系統接続期限に対応するとともに、5基の風車に対する設計工程の大幅な短縮を支援しました。
また、本プロジェクトは、新たなサイト条件およびより大型の風車で技術を検証する機会であっただけでなく、WindFloat Atlanticで得られた知見を活かし、設計や各種プロセスの改良を実施することで、据付期間の短縮を図る取り組みの場ともなりました。
現在、Principle Powerはキンカーディン向けに運転保守(O&M)サービスを提供しています。運用データを活用してプロジェクトのパフォーマンス向上を図るとともに、得られた知見をWindFloat技術ポートフォリオ全体の最適化へと反映しています。
2021
50 MW
Vestas V164
9.5 MW
25 年
15 km
60-80 m
35,000
Dragados
Natixis
ABS, DNV

ロッテルダム港における浮体と風車の統合

ロッテルダム港における浮体と風車の統合

ビデオ提供:当社のパートナーである Bourbon Subsea Services および Vryhof
5基のV164 9.5MW風車は、それぞれ全長80mのブレードを3枚備えており、これらはワイト島にあるVestasの工場で製造されました。ブレードの塗装および仕上げは、かつて石油火力発電所として使用され、現在は用途転換されたファウリーの施設で行われました。
5基のWindFloat®ユニットの製作は、2019年4月にスペインのNavantiaの施設で開始されました。部材・機器は英国、フランス、オランダ、ポルトガル、スペインなど各国から調達され、国際的なサプライチェーンのもとでプロジェクトが進められました。WindFloat Atlanticプロジェクトを通じて培われたPrinciple PowerとVestasの緊密な連携は、迅速なプロジェクト遂行の鍵となり、2020年11月にはロッテルダム港においてプラットフォームと風車の統合作業が実施されました。
世界的なパンデミックの影響により、造船所が閉鎖あるいは長期間にわたり操業縮小を余儀なくされるという困難な状況に直面しながらも、本プロジェクトは2021年秋までに50MWの設備設置を達成しました。
本プロジェクトでは運転開始後に主要風車部品の交換に関する世界初の作業も実施されています。浮体ごと曳航して港で実施する方法と、設置海域で行う方法の双方を成功裏に完了しました。これらの成果はWindFloat®技術の高い対応力を実証するとともに、将来の技術および工法の改良に活かされる貴重な知見をもたらしています。
さらに、実際の運転データを運転保守シミュレーションツールへ反映させることで、世界各地の大規模商用プロジェクトにおける運転保守戦略の策定を支援しています。これにより、設備稼働率の最大化とコストの最小化に向けた具体的な知見を提供しています。
キンカーディン洋上風力発電所は、英国のエネルギー分野における脱炭素化が象徴的な節目を迎える時期に建設されました。本プロジェクトは現在、浮体式として世界第2位の規模を有し、これまでに浮体式洋上風力プラットフォームへ搭載された中で最も高出力の風車を備えています。キンカーディンのようなプロジェクトは、英国のみならず世界において、産業規模かつコスト競争力のある次世代の浮体式洋上風力開発へとつながる道筋を示しています。
- プロジェクトオーナー

