レ・ゼオリエンヌ・フロッタン・デュ・ゴルフ・ド・リオン(EFGL)プロジェクト(Les Éoliennes Flottantes du Golfe de Lion:EFGL)は、ルカートおよびル・バルカレスの沖合16kmに位置し、フランス地中海における2番目の浮体式洋上風力パイロットプロジェクトです。本プロジェクトは、欧州初の商用規模展開に向けた重要なステップとなります。
EFGLは、プリンシプルパワーが設計したWindFloat®浮体式基礎3基で構成されています。各基礎にはVestas V164-10 MWタービンを搭載しており、現時点で浮体式基礎上に設置された風車として最大級です。
本プロジェクトには第3世代となるWindFloat®技術が採用され、ポルトガルにおける2MWのWindFloat 1パイロットから、同じくポルトガルの25MW WindFloat Atlantic、スコットランドの48MW Kincardine Offshore Wind Farmに至るまで、複数の浮体式洋上風力プロジェクトで培われた10年以上の運転経験が反映されています。
これらから得られた知見は、プリンシプルパワーの設計思想、エンジニアリングプロセス、技術仕様に取り込まれ、標準化、モジュール化、産業化を支えています。その結果、EFGLはWindFloat®技術の進化の恩恵を直接受けると同時に、15~20MW超クラスの次世代WindFloat®の開発に向けた新たな知見を提供する役割も担っています。
2026年
30 MW
Vestas V164
10 MW
20年
16-18 km
70~100 m
50,000 (annually)
Ocean Winds、Banque des Territoires
ADEME、欧州投資銀行(EIB)
Bureau Veritas, DNV, ABS

無断転載を禁じます © LEFGL / Ocean Winds

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EFGLプロジェクトは、主要な国際民間金融機関に加え、欧州投資銀行およびデンマークの輸出信用機関EKFから、ノンリコースローンによる資金調達を実現しました。
このファイナンススキームは、浮体式洋上風力分野における初期事例の一つであり、今後プロジェクトの設備投資額が数十億規模へと拡大していく中で、将来案件にとっての重要な参照モデルとなるものです。
プリンシプルパワーは、基礎設計を受注しました。WindFloat T基礎はEiffage MétalのFos-sur-Merヤードで製作され、その後、タービン統合のためPort-la Nouvelleまでウェットトウにより曳航されました。同港は、浮体式洋上風力事業を支援する専用ターミナルとして、Région Occitanieにより改修されました。
港内では、Vestas 10MW風車の据付をPort-La-Nouvelleの岸壁から実施しました。この作業では、陸上クレーンからWindFloat®基礎へ荷重を安全かつ均一に移送できるよう、WindFloat®のハルトリムシステムを用いて作業中にプラットフォームの水平保持を行いました。
プレコミッショニング作業の完了後、WindFloat®プラットフォームはPort-la Nouvelleから洋上サイトへ海上曳航され、事前に設置された係留システムおよびケーブルへ接続されました。海上接続作業(フックアップ)を経て、本プロジェクトは運転フェーズへ移行します。
この一連のエンドツーエンド遂行は、WindFloat®デリバリーモデルを実証し、長期の性能データと運転経験が成功の鍵となる商用規模展開に向け、さらなる信頼性を提供しています。
EFGLプロジェクトは、第3世代のWindFloat T技術を実証するものです。本プロジェクトは、2MWのWindFloat 1、25MWのWindFloat Atlantic、ならびに48MWのKincardineプロジェクトの導入および運転を通じて培ってきた豊富な経験を基盤としています。これらの小規模商用プロジェクトにより、当社は、さまざまな風車、サイト条件、サプライチェーン、製作手法、契約戦略などのもとで当社製品を検証することが可能となります。また、これらは商業規模プロジェクトの設計へと自信を持って移行するための重要なステップとなっています。
- ピエール・ビュイッソン(Pierre Buisson) エンジニアリングプロジェクト部門統括責任者

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プリンシプルパワーは2013年よりフランスに拠点を置き、現在では従業員のおよそ3分の1がエクス=アン=プロヴァンスを拠点として国内外の市場向けの事業を支えています。EFGLは、今後フランスで予定されるプロジェクトに活かされる経験と知見をもたらす代表的な案件です。
本プロジェクトには、複数のフランスの産業・港湾関係者が参画しています。WindFloat T基礎はEiffage MétalのFos-sur-Merヤードで製造され、同ヤードは石油・ガス向け製造拠点から浮体式洋上風力のハブへと転換されています。
組立後、浮体基礎はFos-sur-Merで進水し、その後Port-La-Nouvelleへ海上曳航されました。同港は、風車の搭載およびプレコミッショニングを含む、フランス地中海における浮体式洋上風力建設の中核拠点として機能しました。
港湾インフラおよび物流サービスはEuroports Franceとの契約により提供されました。陸上の揚重・輸送はMammoetが担い、NaRval Solutions、Vulcain Ingénierie、Groupe Foselevが追加のハンドリングおよびエンジニアリング支援を提供しました。

写真提供 © Remy Dubas/Ecocean

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EFGLはゴルフ・ド・リオン自然公園内に位置し、海洋保護区に設置された初の浮体式洋上風力プロジェクトです。本プロジェクトは、国および地方自治体、さらにはNGOを含む多様な関係者との連携のもとで計画され、適切な立地選定、地域社会への前向きな経済効果、そして環境負荷の最小化を確保しています。
WindFloat®設置に先立ち、2019年6月に生物多様性観測ブイ(Biodiversity Observation Buoy:BoB)を将来の建設予定地へ設置しました。目的は、海洋生物多様性のベースライン特性を把握し、WindFloat®設置前に人工構造物への生物の定着状況を観測することでした。
このブイはプリンシプルパワーが設計し、Ecoceanが開発した16基のBiohut®という人工漁礁を備えています。設置および評価は、ペルピニャン大学海洋生態系研究センター、Chorus Institute、Ecoceanの研究者の指導のもとで行われました。Biohut®は、仔魚期を終えた若齢魚に隠れ場を提供し、捕食からの保護を通じて構造物周辺の海洋生物の生育を支える仕組みです。
観測ミッションは2023年に終了しました。観測の結果、沿岸域と同等の種の量および多様性が確認され、外来種は検出されず、軟体動物やウニの高密度分布、魚類の発声増加が確認されました。
これらの観測を踏まえ、WindFloat®基礎1基の下部主梁にBiohut®ユニット32基を設置しました。時間の経過とともに取得されるデータは、未搭載のWindFloat®基礎と比較し、海洋生物の定着の違いを評価して行きます。
プリンシプルパワーはBiohut®システム統合を支援し、プラットフォームの性能、防食、構造挙動への影響を評価しました。その結果、Biohut®ユニットがプラットフォーム応答へ与える影響は無視できる程度であり、ICCPおよびケーブルを含む全システムが設計どおりに機能し続けることが確認されました。
総じて、Biohut®の設置は、環境モニタリングの取り組みを浮体式洋上風力プロジェクトへ組み込み、海洋生態系と洋上エネルギーインフラとの相互作用を継続的に把握していくための有効な方法を示すものです。
写真提供 © Remy Dubas/Ecocean
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