産業化のための完全なモジュール設計

Eoliennes Flottantes du Golfe du Lion (EFGL) プロジェクトは、フランス地中海のルカート(Leucate) とルバルカレス( Le Barcares) の海岸から16 kmの位置の洋上に10MWの洋上風力タービンを搭載した3基の WindFloat®ユニットを設置するプロジェクトです。

EFGLでは、第3世代のWindFloat®技術が導入されています。この技術は、これまでのプロジェクトから得た教訓に基づき、モジュール化と製造可能性に関する重要な革新性を取り入れ、供給可能性と競争力をさらに高めています。

このプロジェクトは、2025年の完成時には、50,000世帯以上の家庭の電力需要を賄う予定です。

発電開始

2024 (予定)

プロジェクト設備容量

30 MW

風力タービン

Vestas V164

風力タービン設備容量

10 MW

設計耐用年数

20 年

離岸距離

16 km

水深

70-100 m

プロジェクトスポンサー

Ocean Winds、Banque des Territoires

資金提供

ADEME, European Investment Bank

認証

Bureau Veritas

新たな地域経済・技術の拠点を作る

EFGLプロジェクトは、南フランスのポール=ラ=ヌーヴェルを中心とした洋上風力産業クラスターの発展をもたらします。

ポール=ラ=ヌーヴェルは、アンカーシステム、ケーブル、タービンのすべての構成部品 (ナセル、ブレード、タワー) に関する物流拠点、WindFloat®ユニットへの風車設置、および最終設置地点まで曳航して接続する前段階における岸壁でのユニット一式の試運転とテストの拠点として機能する予定です。それにより、約400人程度の直接・間接雇用、高収入、長期雇用が創出される予定です。

さらに、EFGLは、石油・ガスからのエネルギー転換と経済再編の先頭に立ちます。フォス=シュル=メールでWindFloat®ユニットを製造するEiffage Metal社は、以前は石油・ガスのインフラストラクチャ製造を目的としていた場所をこのプロジェクトのために変換し、その過程で最大100人の雇用を創出しました。

 

責任のある立地選択と環境保全

このプロジェクトはリオン湾の自然公園内に設置され、海洋保護区に位置する初めての浮体式風力プロジェクトとなります。そのため、国や地方公共団体、非政府機関の利害関係者と密接に連携し、責任ある立地選択、社会経済へのポジティブな影響、環境負荷の最小化を実現するために開発されています。

環境保全はこのプロジェクトの中核であり、プロジェクトの設計において重要な考慮事項となっています。

写真 © Remy Dubas/Ecocean

写真 © Remy Dubas/Ecocean

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人工魚礁の構築

プリンシパルパワーは、EFGLと協力し、プロジェクトエリアおよびその周辺における生物多様性を育むため、3基の WindFloatユニットのうち1基に人工漁礁「Ecocean Biohut®」を設置します。

WindFloat®ユニットの設置に備え、16個のBiohut®ユニットで構成される生物多様性観測ブイ (BOB) が、2019 年6月にEcocean (モンペリエ) とCREM (海洋生態系研究センター - ペルピニャン大学) によって設置されました。 研究者たちは、BOBおよびその周辺で生物多様性が実際に改善されていることを観察しました。また、重要なことに、ブイに侵入種は観察されませんでした。

WindFloat®技術を用いた浮体式風力発電所は、このような多目的利用においても様々な可能性を示しており、海洋における生物多様性の回復に役立つ保護生息空間を創出することにより、環境に良い影響を与えることができることを実証しています。

EFGLプロジェクトでは、第3世代のWindFloat T技術を実証します。これは、2MWのWindFloat 1、25MWのWindFloat Atlantic、48MWのKincardineプロジェクトで培った豊富な経験を基盤としています。これらの小規模な商業プロジェクトを通じて、異なる風力タービンやサイト条件、サプライチェーン、製造方法、契約戦略などを検証し、商業規模のプロジェクト設計へと自信を持って移行するための足がかりとなっています。

- エリック パヤ、プリンシプルパワー・プロジェクトマネージャー