日本進出

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、5 MWの日立WTGを搭載する単一ユニットを秋田県沖29 kmで展開する実証プロジェクトに、プリンシプルパワーとそのパートナーであるレノバ、三井E&S造船を選択しました。

プリンシプルパワーは、ClassNK (日本海事協会) によって基本承認(Approval in Principle)を受けたFEED設計を完成させ、WindFloat® が日本の厳しい環境条件下(台風と地震の両方への対応を含め)でも問題なく稼働できることを証明しました。

残念ながら実機を設置することなくこのプロジェクトは終了しましたが、日本の気象・海象条件に対応可能なWindFloat® は、2030年に10GW、2040年に35-40GWという日本の洋上風力導入目標達成に必ず貢献できると確信しており、2050年のカーボンニュートラルを目指す上で重要な役割を果たすでしょう。

運転開始

なし

プロジェクト設備容量

5 MW

風力タービン

日立5.0-126

風力タービン設備容量

5 MW

設計上の運用寿命

20年

離岸距離

29 km

水深

70 m

プロジェクトスポンサー

レノバ、三井E&Sホールディングス

資金提供

NEDO

認証

Class NK

日本における140GWの浮体式洋上風力発電の大きな可能性

2011年3月11日、東日本大震災の地震によって発生した津波が福島第一原子力発電所を襲い、日本のすべての原子炉を稼働停止に追い込みました。これにより、国は脱炭素化への取り組みを強化するようになり、再生可能エネルギーは日本のエネルギーミックスの重要な部分として認識されるようになりました。日本は震災以来、50 GWを超える太陽光発電容量を設置しており、これは国の電力需要の約5%を供給するのに十分な量ですが、利用可能な土地の不足がさらなる開発の妨げとなっています。

日本の脱原子力化と脱炭素化の目標への鍵は洋上にあります。日本風力発電協会 (JWPA) は、140 GWを超える風力発電を開発できる可能性があることを示唆しています。国の海域の90%が50メートルを超える深さであり、浅瀬では港湾インフラや漁業の需要が高いことを考慮すると、浮体式洋上風力発電技術、特にWindFloat®が重要な役割を担うことになるでしょう。

WindFloat®は日本市場の課題に対処するのに最適

NEDOの研究プロジェクトでは、台風と地震の被害を受けることが多い秋田県の海域でWindFloatを実証することになりました。プリンシプルパワーは、5 MWの日立風力タービンの FEED設計を完了し、パートナーである三井E&Sホールディングスと協力してClassNKから原則承認(AIP)を取得しました。これにより、この技術を日本で展開することができるようになりました。

WindFloat®は、従来の着床式洋上風力発電と比較して、特に日本では以下のような利点があります。

  • WindFloat®は海底から切り離されているため、地震や津波の影響を実質的に受けにくくなっています。
  • 風力タービンとWindFloat® はどちらも、台風に耐えられるように設計されています。
  • さらに、浮体式洋上風力発電により、レクリエーションや漁業、航路などの競合する海洋利用から離れた、より強く安定した風が吹く環境的に持続可能な海域に発電所を設置することが可能です。

洋上風力発電産業の拡大を加速させる日本政府の強力なサポート

日本政府は2019年4月に、都道府県が最大30年間洋上風力発電の促進区域をリース可能とする新しい法律を承認して、浮体式洋上風力発電プロジェクトの開発への道筋を提供し、地元の利害関係者との調整を促進する協議体を設立しました。

菅義偉元首相は、日本が2050年までにカーボンニュートラルを達成することを公約しており、再生可能エネルギー発電の割合を2018年の18%から2050年には最大60%まで引き上げることにより、「緑の経済」の作り上げることを目指しています。洋上風力エネルギーに関しては、2030年までに10 GW (年間平均1GW以上が3~4地点に分散)、2040年までに最大45 GWという目標を政府が掲げ、これらの取り組みの舵を取っています。このような目標を実現するには、浮体式風力発電技術の商業化と拡大、送電網と港湾インフラへの投資、そして競争力のある国内サプライチェーンが不可欠であると考えられています。